単身赴任が決まり別居をする際に、
住民票を移すべきか、移さないでおくべきか、
私は迷いいろいろと調べました。
持ち家を所有し自分が世帯主であるため、
住宅ローン控除は引き続き適用されるのか?
また、児童手当は赴任先の自治体からしっかり支給されるのか?
と疑問は尽きませんでした。
単身赴任が決まったら、
やることはいろいろあります。
新居探しや、引っ越し業者の選定と、
その中でも「住民票の異動」も重要なことです。
住民票を移す必要があるのか?
どんなケースであれば移した方がいいのか?
反対に移さなくても構わないのはどんなケースかを知っておくと、
いざというときに迷わずに済みます。
この記事では単身赴任における住民票異動の必要性と、
住民票を移すメリット・デメリットについて解説します。
\この記事はこんな人にオススメ/
・住民票を移すかどうか迷っている人
・持ち家を所有していて自分が世帯主の人
・異動先で児童手当がしっかり支給されるのか不安な人
単身赴任をするとき住民票を移す必要があるのか?
住民票を移さなくてもいい場合は次の通りです。
私の場合は、単身赴任の期間が1年未満ということがほぼないこと。週末に家族が住む持ち家に頻繁に戻れないことから、住民票を移すことに決めました。
基準として、「単身赴任先が生活の拠点になるのか、それとも仮住まいなのか」で判断するのが良いと思います。
単身赴任時に住民票を移すメリット・デメリット
住民票を移すことは面倒に感じるかもしれませんが、住民票を移すことで得られるメリットがあります。逆に住民票を移すことで生じるデメリットもあるので、住民票を移すことのメリットとデメリットの両方を知っておく必要があります。
私の場合は、妻に内緒の銀行口座を開設するため、何がなんでも住民票を移すと決めていました。
住民票を移すメリット
単身赴任で住民票を移すメリットは以下の通りです。
運転免許証の更新手続きのお知らせは、住民票のある住所に送られます。そのため住民票を移すと、運転免許証の更新のために自宅まで戻る必要はありません。更新手続きのハガキを見逃すこともないです。
また赴任先の行政サービスを受けられるのもメリットの1つです。市区町村が運営している美術館・動物園・博物館・体育館・スポーツジムといった公共施設の割引サービスも提供されます。地域の行政サービスは充実した生活のために役立てられます。
選挙権を取得するには、その場所に3ヶ月以上住んでいることが条件ですので、住民票を移してから3ヶ月経てば、赴任先の選挙権を得ることができます。
そういえば、赴任先に越してきて間もない頃、持ち家の市区町村から選挙の案内が送られてきたことがありました。まだ3ヶ月経っていなかったのでしょう。
住民票を移すデメリット
単身赴任で住民票を移すデメリットは以下の通りです。
住民票を移すと、赴任先の行政サービスを受けられる代わりに、持ち家の市区町村の行政サービスが受けられなくなります。また転出届や転入届の手続きをしなければならなくなり、転勤の時期は社会全体が異動が多くなる時期と重なります。そのため市役所や役場は大変混雑しており、手続きに時間がかかります。
私の体験談ですが、マイナンバーカードの住所変更に2時間もかかりました。役所によって差はあるかもしれませんが、余裕をもって手続きを済ませるようにしましょう。
税金面のデメリットとして「持ち家があり、所有する物件の地域に住所がない場合」家屋敷課税(いえやしきかぜい)の支払い義務が生じます。もし持ち家を所有していた場合、赴任先の住民税と家屋敷課税の支払い義務が発生し、税金を二重に支払う必要がでてきます。
引っ越しにより家屋敷課税の対象になるかどうか、管轄自治体に確認しておきましょう。
また住民票を移すと印鑑証明は無効となります。赴任先で印鑑証明が必要な場合は、赴任先の市区町村で再申請しなければなりません。また戻ってくる場合でも、再度印鑑証明の申請が必要になります。
単身赴任のとき住民票を移す方法と準備する必要なもの
単身赴任の場合、世帯主を決める必要がある
単身赴任のときに住民票を移す場合、現住所(持ち家)の世帯主を誰にするか決めておく必要があります。
<家族が妻と15歳未満の子どもしかいない場合>
家族に妻と15歳未満の子どもがいる場合は、妻が世帯主になるので世帯変更届を提出します。
<家族が妻と15歳以上の子どもがいる場合>
家族に妻と15歳以上の子どもがいる場合は、子どもを世帯主にすることができます。子供を世帯主にする場合も、転出届を提出したときに世帯変更届が必要になります。
私の場合、妻を世帯主にしました。
単身赴任先が海外の場合
単身赴任先が海外の場合は、海外転出届が必要です。夫の住民票を抜く(住民票の除票)と同時に、妻を世帯主に変更する必要があります。子どもがいる場合は、児童手当の受給者を夫から妻に変更します。
また所得税は赴任先で負担することになるため、年末調整の手続きは不要です。そのため扶養控除や保険料控除などの申告書も不要になります。もし海外への赴任が1年未満の場合は、一時滞在とみなされ、届出をする必要がなくなります。
児童手当の支払いがストップしてしまうので注意が必要です。
詳しいことは、総務や税務署に確認することをオススメします。
必要な手続き | 必要な場合 | 届け出をする場所 | 提出期限 |
---|---|---|---|
転出届 | 現在住んでいる場所と別の市町村へ引越しをする人 | 旧住所の管轄の役場 | 引越し2週間前~当日 |
転入届 | 現在住んでいる場所と別の市町村へ引越しをする人 | 新住所の管轄の役場 | 引越し当日~2週間以内 |
住民票は、市区町村ごとに管理されているため、県や市区町村をまたぐ引越しをするときには、現住所(持ち家)と新住所(赴任先)の2か所で手続きを行います。
現在住んでいる市区町村で「転出届」を提出し、赴任先の市区町村で「転入届」の手続きをします。転出届を出すと『転出証明書』をもらえます。『転出証明書』は転入届の手続きをするときに必要になります。
転出届をするのに準備する必要なものと手続き方法
転出届は、現在住んでいる市区町村とは別の市区町村へ異動するときに、現在住んでいる役所や役場で行う手続きです。手続き期間は、引っ越し日の2週間前から当日までなので、引っ越しをする前に手続きを行いましょう。
転出届を提出すると「転出証明書」がもらえます。赴任先の市役所や役場で転入届を提出する際に必要になりますので、なくさないようにします。
手続き場所 | 持ち家の役所や役場 |
提出期限 | 引っ越し前の2週間前~当日 |
必要なもの | 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)、印鑑 |
該当者のみ必要なもの、あると便利なもの | 国民健康保険証、高齢者医療受給者証、乳幼児医療証など(該当者)、印鑑登録証(登録者)、マイナンバーカードまたは通知カード |
転入届をするのに準備する必要なものと手続き方法
転入届は、現在住んでいる市区町村とは別の市区町村へ異動したときに、赴任先の役所や役場で行う手続きです。手続き期間は、引っ越しをした日から14日以内です。
転入届をする際に、「転出証明書」が必要です。
手続き場所 | 赴任先の役所や役場 |
提出期限 | 引っ越しした日から14日以内 |
必要なもの | 本人確認書類(運転免許証、パスポート等)、転出証明書(転出届を提出したときにもらえる書類)、印鑑(自治体によってはなくても手続き可能) |
該当者のみ必要なもの、あると便利なもの | 国民健康保険証、高齢者医療受給者証、乳幼児医療証など(該当者のみ)、マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード |
住宅ローン控除は単身赴任の場合どうなるのか?
住宅ローンの控除を受けられる場合
住宅ローン控除は、単身赴任で住所を異動しても引き続き適用されます。
国が定めている内容は以下の通りです。
(1) 単身赴任等の場合
家屋の所有者が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、その家屋の取得等の日から6か月以内にその家屋にこれらの親族が入居し、その後も引き続き居住しており、当該やむを得ない事情が解消した後はその家屋の所有者が共にその家屋に居住することと認められるときは、その家屋の所有者が入居し、その後もその家屋の所有者が引き続き居住しているものとして取り扱われ、この特別控除等の適用を受けることができます。引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1234.htm「国税庁ホームページ」
単身赴任は「やむを得ない事情」になり、家族が引き続き自宅に住むという状況が「一定の条件を満たす」ため、住宅ローン控除の取り扱いに影響は生じません。
住宅ローンの控除を受けられない場合
家族全員が赴任先に転居する場合は、住宅ローン控除の適用を受けることができません。しかし転勤期間が終了し持ち家に戻ってきたときに、住宅ローン控除の残存控除期間が残っていれば、再度住宅ローン控除を利用することができます。
私の場合、持ち家に家族が住んでおり、単身で赴任先で生活していますが、住宅ローン控除を受けられています。特に必要な手続きはありませんでした。
単身赴任時に住民票を移して気付いたこと
年末調整書類は現住所で記載するので赴任先住所で
年末調整の住所は基本的に「住民票」の住所ですので、赴任先の住所を記載する必要があります。しかし、どちらの住所を記入しても税金を納めることに変わりはなく、問題になることはないようです。
会社から指示がある場合は、会社の指示の通りに住所を記入します。
私の場合は、赴任先の住所を記載しました。
児童手当は住民票のある赴任先の住所から支給される
子どもがいる場合、住民票を移すときに児童手当の受給申請の手続きが必要になります。児童手当は、生計者(所得の多い方)の住民票がある市区町村で支払いをする義務があります。そのため赴任先に子どもが引っ越さなくても、住民票を赴任先に移したのであれば受給申請をする必要があります。赴任先で転入届の手続きをする際は、児童手当の手続きも忘れないようにします。
また子ども医療費助成は、子どもの住民票がある市区町村が負担します。そのため単身赴任で住民票を移す場合は、申請者の変更手続きが必要になります。
振込用の自分の銀行口座が必要になるので通帳やキャッシュカードなどの口座番号がわかるものを用意しておきましょう。
保育園の料金が変わる可能性がある(認可保育園)
認可保育園とは、国が定めた設置基準をクリアして、都道府県などから認可を受けた保育所のことです。
保育料は市区町村が定め、保護者はその額を市区町村に直接支払う形となります。そのため保育園の支払いや申込書には、単身赴任で子どもと別居している旨を記載すれば問題ありません。ただし保育園の入園が決まったあと、単身赴任の辞令が下りた場合、変更届を提出するかは各自治体で異なります。子どもの住民票がある自治体に、確認しましょう。
また保育園の保育料は、住民税額で決まります。住民票を移し住民税が変われば、保育料も変わる可能性があるので注意が必要です。
子どもの住民票がある自治体に確認することがいいです。
まとめ|単身赴任で住民票を移して困ったことはない
単身赴任をする場合、必ず住民票を移す必要はありません。私の会社では、単身赴任期間が短かったり、毎週末に家族のもとに帰る場合には、住民票を移さない人も多くなっています。
自分の単身赴任期間や赴任先での行政サービスなどを確認し、自分に合ったメリットが多い方を選択をしてみてください。
私の場合ですが、単身赴任で住民票を移して困ったことはありません。むしろメリットの部分の恩恵を受けることが多く助かっています。
以上です。